ひより

心のこと

団地暮らし、最初の夜。「ただいま」と言っても誰もいなかった

何もない部屋に、私だけがいた。8月の初旬、引っ越しの日がきた。部屋は想像よりずっとよかった。白を基調にリノベーションされた室内、木の温もりを感じる床、追い炊き付きのお風呂、三ツ口ガスコンロのキッチン。南側の窓からは光がいっぱいに入ってきて、...
心のこと

人生の後半、やっと自分のために生きることにした

1.何もない部屋から、始まった夫に追い出されるような形で家を出て、1年半が過ぎた。最初に辿り着いたのは、小さな古い団地だった。家具もない、キッチン用品もない、何もない部屋。静寂の中で、ゴボゴボと排水管が唸る音だけが響いた。今でも慣れない。正...