「これはおかしい」と気づくまでに20年かかった
結婚して20年が経っていました。
20年かかって、やっと気づいたのです。
「これはおかしい」と。
遅すぎると思う人もいるかもしれません。
でも、渦中にいる人間には、
“普通”の基準がわからなくなっていきます。
少しずつ、少しずつ
異常が日常になっていくからです。
あの家には“地雷”が埋まっていた
家には、
見えない地雷が埋め込まれていました。
どこで爆発するかわからない。
だから私は、
いつも足元を確認するように生きていました。
言葉を選ぶ。
空気を読む。
機嫌を探る。
本当に些細なことで、
突然スイッチが入るのです。
特に怖かったのは、
お酒が入った時でした。
夫は、まるで別人のようになりました。
土日の夕方が怖かった
土日の夕方になると、
私は帰宅前に深呼吸をしていました。
「今日は、どっちの夫だろう」
穏やかな日なのか、
荒れる日なのか。
玄関を開ける瞬間まで分かりませんでした。
答え方を間違えると、
その夜の空気が一変しました。
怒鳴り声。
威圧。
張りつめた空気。
その矛先は、
私に向く日もあれば、
子どもに向く日もありました。
子どもを守りたかった
私は、子どもを守りたかった。
でも、間に入れば、
次は私が標的になる。
守れた日も、
守れなかった日も、
どちらも苦しかった。
母親なのに。
守りたいのに。
どうしていいかわからなかった。
今思えば、
私自身も、限界の中にいたのだと思います。
外にいても気が休まらなかった
外出中も、
心が休まることはありませんでした。
年に数回、
友人と食事に行くだけでも連絡が来ました。
「お前の帰る家はない」
スマホに映ったその言葉を、
私はトイレの個室で一人、見つめていました。
楽しいはずの時間なのに、
胸の奥が冷えていく感覚だけが残りました。
閉め出されるようになった
別居する1年ほど前から、
私はもう限界を感じ始めていました。
家に入れないことが増えました。
車の中で夜を明かしたこともあります。
ホテルに泊まった日もありました。
それでも私は、
まだ家に戻っていました。
戻らなければならないと思っていたからです。
そして、戻らなかった日
その日も、
きっかけは些細なことでした。
いつものように、
本当に些細なこと。
でも、
その日は違いました。
私は、
戻りませんでした。
あの日を境に、
私の人生は少しずつ変わり始めたのだと思います。


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